地頭(じあたま)という言葉があります。ご存じでしたか?
辞書で引くとこんな感じです。
じ‐あたま〔ヂ‐〕【地頭】
1 大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ。一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう。「地頭がいい」「地頭を鍛える」 (出典:朝日新聞社)
実はこれ、オリエンテーリングにおいても問われる能力で、競技を重ねることで自然と鍛えられていきます。
オリエンテーリングと地頭力との関係を考えてみます。
(1)オリエンテーリングも結論から考える
私が経験してきた競技オリエンテーリングは”競技”と名が付くだけあって、競争です。
どれだけ短い時間で、決められたチェックポイントを回って戻ってくるかを競います。
ですので、どうやったらなるべく早く目的地(各チェックポイント)にたどりつけるのかルートチョイスをおこなうわけです。
そうなると、当たり前ですが、
・まずは目的地(チェックポイント)の場所を確認
・そこにたどり着くまでの道のりを検討し、自分の走力・読図能力を踏まえ、自分なりの最短時間でいけるルートを1つ選択して足を進める
訳で、まずは”目的地(結論)から考える”、ということが自然とおこなわれる訳です。
(2)オリエンテーリングもまずは「全体から考える」
「(1)結論から考える」にも通じる部分ですが、オリエンテーリングで勝利を勝ち取るにはまずは「全体を捉える」ことがとても重要です。
まず最初に地図を渡されたら、コンパスを使って、実際の方位と地図の方位を合致させます。
そこでどの方向に向かったらいいのか、いわゆる「鳥の目」を使っておおよその方向を決めて進みだします。
そして足を進めながら地図を読む時は「虫の目」。細部を注視し、必要な情報を読み取りながら前にすすんでいきます。
いきなり細部から入ってしまうと、なかなか前に進めません。
・まず最初にどっちの方向にいくのか
・それからどのルートでいくのか
ビジネスでも同じことです。
(3)オリエンテーリングも単純に考える
地図というのは、いくつにも重なり合った膨大な情報によって構成されている1枚のシートです。
「地図を読む」能力というのは、この膨大な情報の中から、必要な情報だけを拾い出して利用できる能力のことを指します。
「(2)全体から考える」のところでも触れましたが、オリエンテーリングは「鳥の目」と「虫の目」を交互に使い分けて地図を読むスポーツです。
そして、自分でルートを決めて前に進む、ということは「自分自身に道案内する」ということ。
道案内するときにはなるべく単純な説明でなければ人は理解できません。
どれだけ情報を省略化し、必要な情報だけを取り出してつなぎあわせられることができるか?
こうした能力がオリエンテーリングでは「地図読み」を通して養われるのです。
いかがだったでしょうか?
地頭力を鍛えることと、オリエンテーリングで必要とされる能力、極めて近いことがわかりました。
地図にはたくさんの学びの要素が詰まっています。
ぜひこの地図のチカラを大いにお子さんの能力アップに使っていただきたいものです。
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