先日のこのコラムで「不便益」について触れました。

NHKあさイチ「不便益」特集から感じる、子どもの成長に不可欠な地図の力
6月15日のNHKの朝の情報番組「あさイチ」の特集は「不便益」でした。
「不便益」、聞き慣れない言葉ですね。
番組にも出演されていましたが、京都大学には不便益システム研究所というこの「不便益」を専門に研究...
「不便」というと「不」という言葉が付いているせいか、どうしてもネガティヴなイメージが優先します。
「面倒くさい」「時間がかかる」
こんな言葉がまずは出てきそう。
でもどんなことでも、必ずポジティブな部分、ネガティヴな部分両方が存在します。100%どちらかということはまずありません。
不便益というのは、まさに「不便」だから得られるメリットのこと。
どんなことが思いつきますか?
私が思いついたのは「じっくりと手をかける」「熟考することができる」といったこと。
試行錯誤するから気づきがある、閃きがある。
「ああでもない」「こうでもない」とやりくりすることで人間は進歩する。
けれども過度に我々の生活に介入してきた最先端の技術は、こうしたやりとりをショートカットして、
いきなり結論を導いてきてしまう。
教科書で言うならば、解答までのプロセスを知る前にいきなり巻末の答えだけ教えられたようなものです。
果たしてこれで子ども達は成長できるのでしょうか。
地図育で私が唱える、「地図で自分で考える力を育てる」という考えもまさしく不便益に近いのだと実感しています。
「便利だからナビを使う」「すべてはナビの指示通りに従う」ではなく、自分で地図を持ち、必要な情報を取捨選択し、つなぎ合わせることで目的地を目指してみる。
途中迷ってしまったら、どこを間違えて迷ってしまったんだろうと振り返りながら現在地を確認し、再び目的地までのルートを再構築する。
これだけの頭の動きを、ナビでショートカットしてしまうの本当にもったいない。
「不便益」という言葉を知り、益々地図育の重要性を認識しています。
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