子どもは一体いつから地図を使うことが出来るのでしょう?
日本の小学校では大抵4年生から地理の授業が始まります。
各都道府県名とそれぞれの県庁所在地名を覚える、という例のアレです。
小学4年生というと9歳から10歳になります。
果たしてこの年齢にならないと人は地図を読むことが出来ないのでしょうか?
ここで一つのグラフをお見せしたいと思います。
これは北欧のスウェーデンでは、
いったい何歳からオリエンテーリングを始めるのか?というグラフです。
北欧生まれのオリエンテーリングは、地図とコンパスを使って、目的地を目指しながらなるべく短い時間で戻ってくる競技スポーツ。
当然のことながら、地図が読めなければいけません。
少し文字が不鮮明かもしれませんが、
一番左がスウェーデン語で「6歳以下」と書いてあり、ついで「7歳」、「8歳」・・・と続いています。
一目瞭然!
なんとスウェーデンでは、
「6歳以下」で地図の読み方を初めて学び、
それが
全体の20%を占め、最も多い
というのです。
では、なぜこんなに早い年齢からスウェーデンでは子どもに地図を読めるようにしているのでしょうか?
その答えは簡単です。
それは
学校の授業としてオリエンテーリングを扱うことで、子ども達に楽しく地図読みを教えているから
です。
でも「なぜ学校で6歳から地図読みを?」
そんな疑問を持っていたら、日本在住のスウェーデン人の友人が教えてくれました。
それは、
生きて森から帰ってくるため
だそうです。
スウェーデンやフィンランドといった北欧の国は住んでいるすぐそばに森が広がっています。
だから、森の中にはいってマッシュルームを採りにいくこともしばしば。
でも奥に分け入ったはいいが帰れなくなったら一大事。
そのために子どもの頃から地図が読めるよう訓練しておくのだそうです。
すなわち、
北欧では、
「地図を読むこと」=生きのびること
森が身近にある国ならではの考え方ですね。
2年前、私は息子が小学校に上がる前、まさに6歳の時にあるオリエンテーリングの大会に連れていき、一緒にコースをまわりました。
そのときの様子に触れたコラムがこちらです。

この日帰宅後、息子は自分のなぞった道を赤ペンで地図上でしっかりと描いていました。
このように、小学4年生になるのを待たなくても、子どもは十分に地図を読んで前に進むことができます。
頭の柔らかい小学校低学年のうちから地図に触れさせていくことは、「生きていく力」を養う上でもとても重要なことなのです。
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