古典落語「転失気(てんしき)」に見る、勝手な思い込みの危険性

本日、プロの噺家による落語を聞く機会がありました。

小学4年生になる娘と一緒に行きましたが、実は私も生の落語を聴くのは初めて。

生の臨場感を存分に味わいながら、とても楽しい時間を過ごしました。

 

いくつかの演目がありましたが、その中でも「転失気(てんしき)」というお話がとても面白く、印象的でした。

 

どんなお話しかということがネット上でわかりやすくまとまっていましたので、簡単に記しますと、

 

知ったかぶりの和尚が、病を患って医者に診てもらう。「てんしきが有りますか」との問に、判らないとも言えず「有りません」と答える。小坊主に近所に借りに行かせるが、誰も判らずごまかされる。医者に聞きに行かせると「おなら」と判るが、小坊主がいたずらをして「御盃です」と教える。次に医者が来たときに、「てんしきを見せます」といって盃を出す。医者が「我々の方ではおならがてんしきですが、寺では盃がてんしきですか?」「さよう」「どのような訳で?」「どちらも過ぎますとブウブウが出ます」

 

このお放しは、「知ったかぶりの和尚」が、「てんしき」という言葉をお医者さんに言われ、「意味がわからないから教えてください」という一言を言えないために、弟子の小坊主を巻き込んで何とか本当の意味を知ろうとすることで周りの人々を巻き込んでいきます。そして和尚が最後まで本当の意味がわからずに誤った使い方をする滑稽さがおかしいお話しです。

 

いつの時代でも「知ったかぶり」する人というのは周りから見れば滑稽です。

 

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」などと言いますが、この和尚は「一時の恥」を恐れたために、勝手に解釈をしてしまい、どんどんドツボにはまっていくのです。

 

思い込みや勝手な解釈って怖いですよね。

 

「これが正しい」と思い込んでしまうとそれしか見えなくなってしまう。

でもそれが思わぬ結果を招いたり、大恥をかいてしまうこともある。

 

笑い話ですめばいいんです。

でも済まない場合は大事故になってしまう危険性もあります。

 

こうした勝手な思い込みは勝手な解釈はオリエンテーリングの時にもよくやりがちです。

 

例えば、地図上で自分の現在地がわからなくなってしまった時。

 

何とかすぐに現在地を把握しようとして焦ります。

周りの風景と照合する地図上のポイントを探します。

 

でもこういう時ほどミスは起こりやすいんです。

 

コンパス(方位磁針)と地図の方位を合わせていなかったり、

似通った隣のポイントをいま自分がいる場所だと思ってしまったり。

 

 

ちょっと周りを見渡してゆっくり確認すれば、こうしたミスは防げるのに、つい焦ってしまうからちょっとした確認も怠ってしまうんです。

 

 

人間誰しもミスをする。ミスをすることを恐れてはいけません。

 

ただ、その自分の考えが果たして大丈夫なものなのか、という客観的な視点は常にもっていなければ危険です。

 

そしてわからなくなった時には素直に人に聞く勇気。

 

オリエンテーリングのレース中は中々他者に現在地などを聞くことは出来ませんが、

普段の街歩きの時などはわからなければ、地元の方に聞いてしまう、ということがあっても良いのではないでしょうか。これもまた1つの客観的な視点です。

そこから自分の思い込みや勘違いに気付くこともあるでしょう。

 

常日頃から、独りよがりにならないように気を付けたいものです。

 

 

 

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折江 晃

ワークショップデザイナー/オリエンテーリング・インストラクタ 自称:地図育プロデューサー(44歳・男性)。 学生時代に競技オリエンテーリングに出会う。普段は鈍足なのに、地図読みが得意であったため、オリエンテーリングになると上位になれることからどっぷりハマり、いくつかの競技大会で上位に食い込む。 しばらく競技からは離れていたが、2児の父親となり、子どもの心身の成長に何か役立てないかと考えていたところ、地図の持つ奥深さを思い出し、「地図を使った子育て」を思い立ち、我が子に実践。 現在は、年に数回、オリエンテーリングの個人競技大会に出場する一方で、地図を使って「地図を使って、子どもが自ら考えて動ける力をつける」地図育を準備中。近々「親子向け地図育ワークショップ」を展開予定。

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