グッドデザイン賞2016候補に「世界地図」が選ばれた理由から、地図が教えてくれるモノの見方を考える | 「考える力」を伸ばす『地図育®』コラム

グッドデザイン賞2016候補に「世界地図」が選ばれた理由から、地図が教えてくれるモノの見方を考える

地図に関する話題

先日、今年のグッドデザイン賞候補が発表されました。

その中の1つに世界地図が含まれているのをご存じでしょうか?

その名も「オーサグラフ世界地図」

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世界地図図法 [オーサグラフ世界地図]
グッドデザイン賞の仕組みや、過去のすべての受賞対象が検索できる「グッドデザインファインダー」など、グッドデザイン賞に関する情報をご紹介するサイトです。毎年1回(4~6月頃)募集する、グッドデザイン賞への応募もこのサイトから行うことができます。

 

この地図がなぜ候補に選ばれたのか?

制作された意図を知ると、その理由と地図の持つ奥深さが見えてきます。

まずはどんな地図なのか、「概要」に触れてみると、

 

大きさや形の歪みをおさえた正確な地球の全体像を示す四角い世界地図です。この地図を眺めればグリーンランドはオーストラリアよりずっと小さいこと,成田空港からブラジルにオリンピックを見に行くときにヒューストンを経由する飛行ルートは理にかなっていること,南極はインド洋,大西洋,太平洋全てに面している唯一の大陸であることなどを理解することができます。同時に球面世界という行き止まりがない世界観,G20という言葉に表されるような多中心な世界観を描くことができる特徴を持っています。人類世に突入した複雑な世界の全体像を正確に把握するためにこれまでより正確な世界の描きかた,世界地図をデザインしました。

 

私が興味を持ったのは「”成田空港からブラジルにオリンピックを見に行くときにヒューストンを経由する飛行ルートは理にかなっていること”を理解することができる」というところ。

我々が普段見ている世界地図は「メルカトル図法」で描かれたもので、四角い平面で一覧できるのが特徴です。

しかし、この方法では各大陸の面積が正しく表されないことにあるのだそうです。

 

この「オーサグラフ世界地図」が企画された意図として、企画者のこんなコメントを残しています。

これまで日本は極東と呼ばれてきました。これはヨーロッパを中心に据えた既存の世界地図から見て東の端という視点です。それ以外にも南下,北上,中近東,第3世界という言葉もヨーロッパからの視点です。応募対象となるオーサグラフ地図によってこれらの地理表現に替わる言葉,つまり世界を見据える斬新な視点が生まれ,よりバランスが取れた国際情勢へ舵が切れるような提案が生まれるきっかけになる効果が期待できます。

 

ここで注目したいのは「(オーサグラフ地図によって)世界を見据える斬新な視点が生まれる」という点です。

 

先ほどの「成田空港からブラジルにオリンピックを見に行くときの飛行ルート」が1つの特徴的な話ですが、

同じ地球を扱っているのに、技法によって見え方が変わり、新たな発見が出来る。

 

 

世界最古の地図として残っているのは、紀元前6世紀までさかのぼるそうですが、こんな古い歴史を持っている地図というツールはいまだに、我々人類に、新しい発見と驚きを与えてくれるのです。

 

地図の万能性を1つ感じさせてくれるエピソードでした。

 

 

 

 

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