ここに一つのグラフがあります。
これは2016年5月に発表された、小学生から高校生まで各学年で、自分専用の携帯電話あるいはスマホを持っている調査結果です。
出典:独立行政法人国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する実態調査(平成 26 年度調査)」
高校生の90%以上が所有しているのはまあ、仕方ないのかな、と思うのですが、
注目したのは小学生の携帯・スマホの保有率。
小学4~6年生で平均して30%くらい。
小学1年生~3年生でも20%ほど所有している、ということなのです。
果たしてこれが高いのか低いのか?
良いのか悪いのか?
はっきりとことは言えません。
それぞれのご家庭の事情もあって、どうしても持たせざるを得ないこともあるでしょうし、
子どもにねだられて仕方なく買い与えた、ということもあるんでしょう。
ただ、地図育的に危惧するのは、
携帯・スマホに頼って自分の頭で考える機会が減る
ということ。
たとえばナビ。
現在地と目的地を入力すれば、すぐに目的地までのルートを出してくれて、誘導までしてくれます。
人はそれに従って歩くだけです。
たしかに楽です。
でも果たしてそれで良いのでしょうか?
「若い頃の苦労は買ってでもしろ」とは昔はよく言われたものですが、
その言葉の裏には「苦労するのは大変だがその経験から次に役立つことがある」という意味が含まれています。
確かにナビ機能は便利です。
でもその便利に頼ってばかりだと、どんどん頭を使わなくなります。
そのうち、自分で考えて試行錯誤する、という行動が失われていくに違いないと思います。
まさしく「便利の裏側に潜む危険性」、
これには親としてはきちんと認識した上で、携帯・スマホを買い与えるべき。
だから、順序としては、
まずきちんと自分で考えて動くことを経験してから、買い与えるべき。
便利さから先に覚えてしまうと、時間をかけて「自分で考える」ということをやらなくなってしまいます。
ですので、目的地に行くにも、自宅で地図をプリントアウトして子どもと一緒に行先までのルートを考えてみる、
という経験が必要なのではないかと思います。
便利さの恩恵はいつでも享受できます。
今のうちにきちんと「自分で考える」ことを体験させることが大事なのではないでしょうか?
自分で考えて動く”考動力”を伸ばすことを目指す「地図育」を提唱する者としてそう思います。
コメント