地図を読んで進む、ということは必要な情報と不要な情報を見極めること

■フィンランドメソッドで重要視されている批判的思考(クリティカルシンキング)

「図解 フィンランド・メソッド入門」という本を読んでいます。

フィンランドメソッド、とは、世界的に評価の高いフィンランド独自の教育法。

主に国語教科書で採用されている方法で発想力、論理力、表現力、批判的思考力(クリティカルシンキング)、コミュニケーション力を鍛えるのに長けており、グローバルなコミュニケーション力を訓練するのに最適といわれています。

そしてこの「図解 フィンランド・メソッド入門」は、フィンランドメソッドとはどういうものか、概略をしるにはうってつけの本です。

この本の「批判的思考(クリティカルシンキング)」を説明するページに次のような例題が掲載されていました。

【文章題:下記の文章を読んで、次の設問に答えなさい】

 

太郎君は月曜日から水曜日までの三日間で、お金を合計1000円使いました。

 

月曜日はコンビニエンスストアで250円のチョコレートを買いました。

 

火曜日は塾に行くバス代が200円かかりました。

 

では、太郎君が水曜日に使ったお金はいくらですか>

 

【設問:次の情報のうち、上記の文章題を解くために必要なものはどれですか?】

(ア)太郎君、という名前

 

(イ)コンビニエンスストア、という場所

 

(ウ)太郎君がお金を合計1000円使ったこと

 

(エ)月曜日に250円使ったこと

 

(オ)太郎君が塾に通っていること

 

(カ)月曜日・火曜日・水曜日という曜日名

 

(キ)火曜日に200円使ったこと

さあ、どうでしょうか。どれが問題を解くのに必要な情報で、どれが不要か判断つきますか?

答えは1つで済みますか?どういった条件が整えば、「水曜日に使った金額」がわかると思いますか?

情報はあればあるほど良い、という訳ではありません。

ありすぎると、思考を邪魔し、頭の中を混乱させることもあるのです。

現代社会になって、情報量は膨大となっています。

2007年に出されたデータですが、1996年から2006年の10年間で、選択情報可能量つまり人々が接することの出来る情報量はなんと530倍に増加したそうです。

その一方で、人間の情報処理能力はほとんど変わっていない。

処理しきれない情報だけが一方的に増えている訳です

だからこそ「情報の見極め」が大事。

何が必要で、何が不要か。この判断が出来ないまま思考を進めてしまうと、もしかして全く無駄なことに時間と労力をかけてしまうことさえありうる訳です。

■「情報の見極め」は地図を持って進む時にも必要な能力

この「情報の見極め」能力は、地図をもって進む場合にも必要なことです。

とりわけ、所要時間を競う北欧流競技オリエンテーリングの場合にはスピード感が大事ですから、

より一層瞬時に「情報の見極め」をすることが出来ます。

例えば、地図で行先までの道のりで、道路沿いに建っているすべてのビルの名前は必要な情報でしょうか?

交差点の名前は一つ一つ、地図上で確認しないと前に進めないでしょうか?

答えはもちろんNOです。それら全てを地図とリアルな光景で照合することはほとんどの場合意味がありません。

確認作業に時間がとられ、前に進むことが出来ません。

どこの角を曲がって、次にどこを曲がるのか。

その際に目印になるのは何か。

人が迷わないためには、必要な情報は限られたのものだけでいいのです。

多すぎる情報は進行を遅らせるだけでいいことありません。

限られた時間の中で、必要な情報だけを取捨選択出来る能力、これが地図でも学べる大きな能力の1つなのです。

時々あなたの家の近くの地図を開き、どこか目的地までの道のりを箇条書きにして作文にしてみてください。

そしてそれは人に伝わっていますか。その道案内を受けたひとは惑わずに目的地に着けますか?

 

やはりオリエンテーリングは、学べる要素がいっぱい詰まった素晴らしいスポーツなのです。

 

 

Post navigation

折江 晃

ワークショップデザイナー/オリエンテーリング・インストラクタ 自称:地図育プロデューサー(44歳・男性)。 学生時代に競技オリエンテーリングに出会う。普段は鈍足なのに、地図読みが得意であったため、オリエンテーリングになると上位になれることからどっぷりハマり、いくつかの競技大会で上位に食い込む。 しばらく競技からは離れていたが、2児の父親となり、子どもの心身の成長に何か役立てないかと考えていたところ、地図の持つ奥深さを思い出し、「地図を使った子育て」を思い立ち、我が子に実践。 現在は、年に数回、オリエンテーリングの個人競技大会に出場する一方で、地図を使って「地図を使って、子どもが自ら考えて動ける力をつける」地図育を準備中。近々「親子向け地図育ワークショップ」を展開予定。

コメントを残す