危険だからといって、いつまでも親が回避していては子どもは成長しない

本日6歳の息子に肥後ナイフを買い与えました。

 

肥後ナイフとはどんなものかご存知でしょうか?

下の写真のように、刃が折りたためる小さなナイフのことです。

肥後ナイフ

 

知り合いが富山の名産、鱒の寿司を送ってくれ、その容器に蓋を止める幅が2センチくらいの竹の板(下記写真参照)がついており、捨てるのはもったいないので、お箸を作ろうということになりました。

 

竹串

 

我が家にはカッターナイフしか無かったので、近くのホームセンターに行き、持ちやすさなどを考慮し、この肥後ナイフを選びました。

 

私の方で、一本の板を半分に切り、それぞれの板を箸として仕上げるよう、息子に渡しました。

 

最初は、息子がきちんと刃物を使えるかとても心配でした。

指を怪我してしまうのではないか、少しハラハラしました。

 

しかし、肥後ナイフの持ち方、手の動かし方を一つ一つ教え、やってみさせると、最初はぎこちなかったものの、段々と上手になっていきました。

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そのうち、先端が細くなっていき、何となく箸らしい感じになってきました。

 

完成にはもう少し時間がかかりそうですが、本人は「段々楽しくなってきた」と無茶苦茶やる気を出しています。

 

息子にとっては、これまでハサミは何度も使ってきましたが、きちんとナイフを使いこなして工作をするのは初めての経験。

 

ナイフを使って「自分だけの箸を作って、ごはんを食べる」というのが強いモチベーションになっているようです。

 

■「危ないから」といっていつまでも子どもを遠ざけていては成長が出来ない。

子どもに刃物は危ないから、といって使わせない家庭も多いことでしょう。

確かに、ナイフや包丁などの刃物は気を付けて扱わないと大怪我をしてしまいます。

 

ただ、だからといっていつまでも親が子どもに触らせないでいいのでしょうか?

 

最近、一冊の本を読みました。「刃物と日本人 ナイフが育む生きる力」(ヤマケイ新書) という本です。

刃物と日本人

 

この本は、古代から日本人はどのように刃物に接してきたか、そして現代で刃物はどのように扱われ、どういった事態がおこっているのかをまとめている本です。

 

この本によれば、とにかく今の時代は、大学生になってもまともに刃物を使った経験のある人がとても少ない、ということ。「危ないから」という理由で家庭や学校で刃物を取り上げられて育ってきたことで、大きく成長しても、木の棒一つまともに削れない人が多いそうです。

 

また刃物が遠ざけられたことによって、子ども達が自ら手を動かして何かを作る喜びを得る経験が極端に減っていることにも警鐘をこの本は鳴らしています。

 

■スイスでは5歳になったらナイフを与えられることが「一人前」の証

この本の中で、ビクトリノックス・ジャパンで代表取締役を務めている田中さんという女性がインタビューに答えている内容が印象的でした。

 

ビクトリノックスとは聞きなれない言葉かもしれませんが、多機能ツールナイフで世界的に有名なブランド。

名前は知らなくても、下記のマークの商品はご存知の方も多いのではないでしょうか?

ビクトリノックス

 

その内容というのは、

・スイスでは、子どもが大体5歳になったら、父親がツールナイフを渡し、使い方を教える

 

・プレゼントされた子どもは「刃を出すときは椅子に座っておこなう」「立っている時は開けない」などの安全ルールをしっかりと教え込まれる。

 

・父親からナイフをもらう、ということは「自分が信頼され、成長を認められたこと」と子どもが感じ、自ずと責任感も生まれる

というもの。

ナイフは優れた道具である半面、危険な部分もあることをしっかりと理解させるのが親の役目であるそうです。

 

■しっかりと理解させた上で、子ども自身に半歩先のことをする機会をさせるのが親の役目

このスイスの事例で感じられることは、

 

・危険なものを危険なままで子どもから遠ざけていては何も成長させられない。

 

・危険な部分はきちんと親が説明する、あるいはフォローすることできちんと子ども自身に経験を積ませ、責任感も生じさせることの重要性

 

ということです。

 

■地図育で「子ども自身の自覚」を成長させる

地図育でもまた、地図を持って自分で考えて歩いてもらうことで、子ども自身に責任感を持たせることを目的の1つとしています。

 

たとえ、大型公園などの比較的安全な場所とはいえ、見知らぬ土地で自分で地図を持って歩くことはなかなか勇気のいること。

 

先日4月22日に実施した「親子地図育ワークショップ」に参加し、初めてオリエンテーリングを体験してくれた小5の女の子からは

 

「冒険しているみたいで楽しかった。またやってみたい。」

 

という感想がもらえました。

 

 

 

1人で何かを任せてみる、少々危険と思うことも事前に注意すべきことを説明して、理解させたうえで、やらせてみる。

 

こうしたことで子どもは経験を増やし、確実に成長するように思えるのです。

 

子どもの「できた!」という体験を増やすことも親の大きな務めだと思います。

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折江 晃

ワークショップデザイナー/オリエンテーリング・インストラクタ 自称:地図育アドバイザー(45歳・男性) 1972年生東京都出身・在住。明治大学政治経済学部卒業。小学生の女児・男児の父親。 小学4年生のときに、競技オリエンテーリングに出会い、運動は苦手でも、地図の読解力、判断力、忍耐力などを発揮することで好成績を残せる点に魅了され、高校時代まで続ける。大学卒業後、広告会社に就職。長年マーケティング業務にたずさわる中で、競技オリエンテーリングで培った「自分で考えて行動する力」がビジネスや人生に応用できることを実感する。この経験を自身の子育てに活かすために、地図を通じて「自分で考えて行動する力」を育むオリジナルメソッド『地図育』を開発。現在は、「一人でも多くの子ども達に、自分の人生を自分で切り開く楽しさを実感して欲しい」という思いで、地図育アドバイザーとして、地図育講座・ワークショップを主宰している。 連絡先:contact@mappower.jp

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