トイレでこうした貼り紙を見たことがあると思います。
この言葉を読むと、自分をひとつ高いレベルで扱ってもらえる気がします。
自分を信頼してもらっている反面「みんながきれいに使ってくれています。あなたも大丈夫ですよね」という意味が込められている気がして、背筋が伸びる気がします。
もう一つ、見せます
こちらはどうでしょう?
なんだか命令口調で、最初から汚すことを前提としたモノの言い方。
あまり良い気がしません。意地の悪い人だったら、わざと汚く使ってしまうかもしれない刺激的なことばです。
「自律と信頼」
この2つの貼り紙の違いを見ると、この言葉が浮かんできます。
信頼される、ということはそれを裏切らないように自分の行動を律する意識が出てくるし、人に信頼される行動が習慣化されれば、どんどんと人も付いてくる。
すなわち「信頼する」ということは「相手が自分を律して行動する力」を引き出すことにもなるわけです。
この考えは子育てにも大きく共通すると思っています。
「どうせ子どもだからきちんと出来ないだろう」という考えが根底にあると、言葉の端々に子どもを信頼しない言葉が出てきます。
「部屋を片づけなさい、どうしていつも出来ないの」
「だからあなたはダメなのよ」
こう言われたら子どもはとても傷つきます。そしてあなたと話すことが嫌になってしまうかもしれません。
「いつもきれいにしてくれてありがとう」
「いつも頑張っているね」
こんな言葉をかけられたら、大人でも嬉しいはずです。
完璧に出来ていなくってもいいんです。
ちょっとでも上手に出来ていたり、少なくとも子どもが少しでも今よりも良くしよう、と思っている節の行動があれば、そこに対してポジティブな反応を示してあげれば子どもは大喜び。
そして次からも同じ行動を取ろうとすることで習慣化していきます。
よく言われる「北風と太陽」の例えではありませんが、
服を脱がせるには厳しく当たるのは逆効果。
寄り添うことで、自ら動く気持ちを引き出すことにつながるのです。
年末年始で子どもとの時間が多くなる季節。
少し意識して会話してみるのもいいかもしれません。
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