子どもの成長は人それぞれ:結果だけを求めず、プロセスを大事にしよう

小学生参加のワークショップを見学してきました。

 

小学1~4年生の子どもが20名弱集まり、最初は合同でじゃんけんを使ったゲームをして場を温めた後、1グループ4~5人の3つのグループに分かれました。

 

私はそのうちの1つのグループに付き、子ども達がどんな発言をして行動を取るのか観察をしていました。

 

そのうち一人の女の子が気になりました。名前はMちゃん。小学校1年生。

 

最初からとても緊張していたようで、ファシリテーターの方が説明をしている最中でも、足をブラブラ。ただ、決して話を聞いていないわけでもなく、課されたワークはきちんとこなしています。

 

しかし、ほぼ一言も言葉を発していません。でも機嫌が悪いわけではなく、はにかみ気味の笑顔を時折見せています。

 

グループワークに入ってからも、Mちゃんは積極的に会話に入るわけでもなく、聞かれたことにはうなづいたりするけれど、強い自己主張などは全く見られませんでした。

 

「一体この子はどうしちゃったんだろう」私の頭の中にはこの言葉が駆け巡りました。

 

ワークショップというのは、最初は消極的な子どもでも時間が経つにつれ、徐々に積極性を増し、発言もどんどん増えてくるはずだ、と思っていたからです。

 

でもMちゃんのテンションはまるで変わりません。決して機嫌が悪いわけではないけれど、どちらかというと話を聞いてばかり。言われたことは出来るけれど、自ら○○したい、と声に出して言うことはありませんでした。

 

ところが、突然1つ変化が起こったのです。

 

「私、真ん中やりたい」このチームはジェットコースターをチーム全体で表現することが課題として与えられていました。ある子は、ジェットコースター乗り場のチケットもぎりの役になったり、また別の子は車体になり、また一人の子は乗客となり、車体役の子の上にまたがる、といった役割分担がされていました。

 

車体役の子は3人。前・真ん中・後ろです。

 

 

その中からMちゃんは小声ながら「真ん中やりたい」ということを、このワークショップで初めて自己主張したのです。

 

ファシリテーターはそれを聞き逃さず「そうか、Mちゃんは真ん中やりたいんだね」と名前を挙げて、その子が初めて自己主張したことをを話題にしました。

 

ワークショップ終了後、私はファシリテーターの方に聞きました。

「Mちゃんはほとんど発言もしなかったのに、あれでいいんですか?例えば『どう思う、Mちゃん?』といった問いかけを何度もしなかったのはなぜですか?」

 

すると、ファシリテーターの方はこう答えました。

・発言が少ないからといってワークショップに参加していない訳でない。コミュニケーションの取り方は人それぞれ。

 

・確かにMちゃんは引っ込み思案であったがが、今回のワークショップに決して後ろ向きだった訳でなく、彼女なりに積極的に参加し、楽しんでいた。

 

・そんな中、彼女は勇気を振り絞って初めて自己主張をした。これは彼女にとって恐らく大きな一歩だし最大限称賛するべき。

 

・もし何度も発言を促すようなことをしてしまえば、それはプレッシャーにしかならず、Mちゃんがこのワークショップで感じている楽しさを奪ってしまう。

 

 

正直、目からウロコでした。

大人社会では「会議では発言しなければ参加している意味がない」とまで言う人がいる中で、こうした考え方もあるのかと。

 

確かに、子どものみならず大人でも、情報を瞬発的に処理する人もいれば、ゆっくりと飲み込んでから発言する人もいます。とにかく数多く発言する人もいれば、口数は多くないけれど、必要な時はしっかり話す人もいます。

 

人はひとり1人違っていて当たり前。ワークショップではこれが大前提。

 

授業参観で、自分の子どもが手を挙げないから心配したり、後で帰宅してから子どもを叱責する保護者もいるようですが、これは完全にお門違い。

子どもだって、たぶんそれぞれのペースでゆっくりと思考を巡らしている子がいても何のおかしくありません。

 

それを、親の勝手な解釈で「どうして発言しないの!」と追い詰めたら、伸びる個性も伸びなくなってしまいます。

子どもはひとり1人違っていて当たり前。

 

そして子ども達はひとり1人がそれぞれ考えながら生きている。

そんな中、子ども達が健やかに成長していくためには親としてどんな声かけをしてあげられるのか。

そして少しでも成長が見られたら最大限称賛してあげる。

こんなことが大事なのだろう、と今回のワークショップ観察を通じて感じ取りました。

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折江 晃

ワークショップデザイナー/オリエンテーリング・インストラクタ 自称:地図育プロデューサー(44歳・男性)。 学生時代に競技オリエンテーリングに出会う。普段は鈍足なのに、地図読みが得意であったため、オリエンテーリングになると上位になれることからどっぷりハマり、いくつかの競技大会で上位に食い込む。 しばらく競技からは離れていたが、2児の父親となり、子どもの心身の成長に何か役立てないかと考えていたところ、地図の持つ奥深さを思い出し、「地図を使った子育て」を思い立ち、我が子に実践。 現在は、年に数回、オリエンテーリングの個人競技大会に出場する一方で、地図を使って「地図を使って、子どもが自ら考えて動ける力をつける」地図育を準備中。近々「親子向け地図育ワークショップ」を展開予定。

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