オーバーコーチング、という言葉をご存知でしょうか?
先日あるお父さんとお話しをしている時に教えていただいた言葉です。
そのお父さんはサッカー関係のお仕事をされているのですが、
地図育の目指す「自分で考える子を育てる」という理念をお話ししたところ、
サッカーを教える世界でも似たような問題がある、ということで教えていただきました。
さっそく、帰宅後、「オーバーコーチング」という言葉を検索してみると、こちらのサイトで次のように解説されていました。
Over-coachingとはコーチの行き過ぎた指導の事です。
「前へパスしろ」 「ドリブルしろ」 「シュートを打て」・・・などなど。
これは指導ではなく「指示」になってしまっています。
過度の指導・指示はプレイヤーの能力・才能を衰弱させます。そして、発達を抑圧してしまいます。
一言で言うと、コーチがプレイヤーの代わりをしてしまっているという事です。
プレイヤーの決定・判断の全てを代わりにしてしまっているのです。
コーチは試合に勝つ為に不適切なプレッシャーを感じ、「指示」をし過ぎてしまうのです。
その結果、練習中も試合中も絶え間のない「指示」が・・・。
子供たちは心からサッカーを楽しむ事ができません。
グラウンドで活き活きとプレーを表現する事が難しくなってしまいます。
そしてその影響として、
多くの場合、プレイヤーはサッカーをやめてしまいます。
とのこと。
つまりは、コーチが「指示を出し過ぎる」ことでプレイヤーである子ども達がやる気を奪われ、止めてしまう。
そしてもし続けたとしても
そのプレーには創造性が欠けてしまうでしょう。
また、試合中の問題を自分で解決する能力も貧しいものとなってしまいます。
とのこと。
いずれにしろ、本来は楽しむべき子ども達、教えるコーチ双方にとって不幸なことです。
まさに教えすぎによる悲劇といったところです。
■「教わりすぎる」ことが当たり前にならないように意識改革が必要
このサッカーのオーバーコーチングに見られる「教えすぎ」の弊害を避けるためには「教える側」だけでなく「教わる側」にも意識を変えてもらう必要があります。
なぜならば、あまりにも継続的に細かく教わり続けたことで、子ども自身の気持ちが受け身でいることが自然になってしまい、「指示があって当たり前」「指示がないと動けない」という心理的状況に陥っている可能性が高いと思われるからです。
地図育的にその解決法を考えるならば、
地図歩きで子ども達に自分たちだけで考える場づくり
を提案します。
日頃受け身で指示を受けることに慣れ過ぎてしまっている子ども達には、「自分で考えて動く」場づくりが必要。
そのためにフォトロゲといわれる、カメラを使ったミニオリエンテーリングなどが良いのではないかと思います。
具体的には、
・子ども達を数人ずつのグループにわけ、
・いくつかの撮影ポイントを記載した地図を渡し、
・そこで写真を撮ってくると
というルール。
その撮影ポイントでは、いくつか指示があって、
「みんなでポーズを取りながら撮影する」といったチーム内で楽しめる内容にします。
こうすることで、
こうすることで地図を持って、「自分たちに目的地までの道のりを考える」場づくりを楽しみながらおこなう、というのが目的です。
地図歩きの最大のメリットは、この「楽しみながら、自分で考える場をつくる」ということにあります。
以前、代々木公園でおこなった「親子地図歩きワークショップ」で初めて地図歩きを体験した小学生のお子さんは
「楽しかった、またやりたい」
という感想を述べてくれました。
受け身になりすぎない場づくり、考えてみませんか?
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