あなたはサスペンス映画やドラマはお好きですか?
サスペンス、というとやはり2時間ドラマを思い出しますよね。
以前は「火曜サスペンス劇場」なんて番組もありました。
先日、フジテレビの「ホンマでっかTV]を観ていたら、番組にレギュラー出演している武田先生が興味深いことを言っていました。
サスペンスとは「どっちつかず」という意味
人間が一番怖いと思うのは「どっちつかず」の状態
「どっちつかず」の怖い映画を作ったのがヒッチコック
バチっと決まってしまえば(人は)怖くなくなる
なるほど~、サスペンスとはそう意味だったんですね。
辞書できちんと調べてみると、
suspense
1 気がかり, 懸念, 不安(な状態), (小説・映画などの)持続的緊張感, サスペンス
2 未定(の状態), ためらい(⇔decision);どっちつかず;未決定の状態
(出典:小学館プログレッシブ英和中辞典(第4版))
でした。
ちなみにズボンを吊り下げるサスペンダーも、このサスペンスの派生形で
元々は、ズボンを宙ぶらりんにぶら下げておく「ズボン吊り」から来ているそうです。
たしかに、この先どうしていいかわからない、宙ぶらりんの状態の時は誰しも不安ですもんね。
自分が不安な状態な時にどんな手を打てるか、どう進んだら良いのか、ということを自分で考えることも大事だと思います。
■オリエンテーリングは、「不確実な状態」を「確実なもの」ふふに変える力を求められるスポーツ
そう考えると、地図育のベースである、
オリエンテーリングもサスペンス
なことが多いスポーツです。
どういうことかというと、オリエンテーリングの場合、大抵見知らぬ土地で地図を渡され、
なるべく短い時間でチェックポイントをまわってくるように指示されます。
所持品は地図とコンパスだけであとは誰も教えてくれません。
あとはどう行こうが個人の責任。
動かなければ時間がどんどん過ぎて順位が下がるだけですが、
どうやって目的地に向かっていいかわからない。
まさに宙ぶらりんのサスペンスの状態です。
道に迷った時はなおさらです。
道に迷った、ということは、自分が地図上でどこにいるのかわからなくなってしまった状態ですから、
本当に宙ぶらりんのどっちつかずの状態。
まさにサスペンス!
オリエンテーリングサスペンス劇場
と言ってもいいのではないでしょうか(笑)
もし道に迷ったら、
プレイヤーは必死に地図から情報を広い、
周囲の風景を見渡して照らし合わせることで現在地を特定して、迷子から抜け出します。
そして今度はチェックポイントにどうやったら早くたどり着けるか、地図から手掛かりを見つけ、つないで一本の道筋とする。
つまり、
不確実な状態を自ら確実にする行為
です。
オリエンテーリングはこの
不確実な状態を自ら確実にする
力を常に求められているスポーツなのです。
■地図育で育てるのは不確実な状態でも”強く生きる力”
地図育のベースは、北欧生まれのオリエンテーリングです。
このオリエンテーリングのエッセンスを元に、”生きる力”を育てるのが目的です。
カリキュラムの中で実際にオリエンテーリングを組み込むことによって
・目的地に向かって進むためにはどのようなルートを選ぶのかを考える。
・道に迷ったときにはどうやってリカバリーするのかを考える
という行為を通して、
思考力、判断力、行動力を養うのが目的です。
こうした思考力、判断力、行動力は生きていく上で大事な力になります。
特にこれからの子どもたちが生きていく日本は今までだれも経験したことのない少子高齢化・人口減少社会、
まさに不確実な時代に突入しています。
これからの子どもたちに求められるのはこんな時代でもしっかりと生きていく力です。
そのためには思考力と判断力、そして実行力を深めなければいけません。
不確実な、サスペンスな状態でも、
自ら確実にすることで問題を解決できる考え方
を身につけることが地図育の目的です。
多くの方とこの考え方を共有していきたいと思っています。
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